介護でつながる輪

認知症の方への接し方のポイント

○認知症の方とのコミュニケーションに欠かせないポイント

認知症の方への対応はあれこれ工夫しても決定版はなかなか見つからないですね。

同じ対応で上手くいく日もあればダメな日もあります。押しても引いてもダメな時、便秘が解消したら別人のような笑顔が見られたり、脱水気味の時は何かと問題行動が増えたりします。コミュニケーションの良し悪しも体調次第のところがあるので、身体のチェックは欠かせません。その上で、コミュニケーションに欠かせないポイントをいくつか挙げてみましょう。

まずは、
① 目を見て話すこと。後ろからの声掛けは、驚いて転倒などにもつながる可能性があるので危険です。
② 落ち着いた声のトーンがお勧めです。
③ 顔の表情や身振り手振りを加えると伝わりやすくなります。
④ 話の内容はなるべく短く、複雑な言い回しは避けましょう。
⑤ 質問はイエスかノーで応えられるものを。
⑥ なるべく当事者が分かることばを選ぶ(トイレはお便所のように)。
⑦ 同時に2つ以上のことを伝えない。
⑧ 来週病院に行くなどあまり先のことは伝えない。
⑨ プライドを傷つけることばや否定的なことばを避ける。

以上、細かい例を挙げましたが、最も有効なのは、ことば以外のコミュニケーション手段を多用することです。笑顔で、手を取って、あるいは手足をさすったり、肩を抱いたりしながら話すなど。なかでも介護をする人の笑顔は、認知症の方に何より安心感を与えます。また、ことばによるものには、ほめる、ねぎらう、気持ちのこもった挨拶などが相手をリラックスさせます。このような気分を良くする対応は認知症の方に、精神安定剤と同じ効果が期待できます。しかも副作用のないものです。

○認知症が進んでも感情の働きは衰えていません

認知症が進みことばの理解力が落ちても、感情の働きはあまり衰えません。認知症が進んでも美しい花に感動したり、幼稚園児のかわいらしさに心が弾んだりします。また、相手の表情から自分が歓迎されているか否かなどの気持ちを鋭く読み取ることもあります。

介護をする人が無理をするとか、いい人になりたいばかりにがんばり過ぎて怖い顔で介護しているのは、介護する人にもされる人にも百害あって一利なしです。

○がんばり過ぎずに側にいるだけ「いるだけケア」

私の体験から言えるのは、自分のできることをやったら、後はあまりがんばり過ぎずに側にいることが良いと思います。これが「いるだけケア」の考えです。

がんばればがんばるほど、こちらの思いどおりに動いてほしい気持ちが強くなります。たとえ認知症の方であっても、「過去と他人は変えられない」のだとあきらめましょう。

また、ときどき、いらいらするのは当たり前と考え、いつも優しくできない自分を責めないことです。反省や自責の思いは介護をする人のエネルギーを奪います。いろいろあっても「よくやっている」と自分をほめて労うほうが、ずっと元気が出てくるはずです。

意気込まずできることをやり「一緒に楽しく過ごす」を心がけることが介護の極意です。

がんばらない介護生活を考える会

プロフィール

  • 別府明子(べっぷあきこ)さん
  • カウンセラー、がんばらない介護生活を考える会委員、NPO法人トータルライフサポート理事

こちらのページへの感想もぜひお聞かせください。

介護でつながる輪 最新記事はこちら

介護のプロがアドバイス!

介護でつながる輪へ
このページのトップに戻る