介護でつながる輪

介護生活の“助っ人”たち

  • ハルコウさん (東京都在住)
  • 少子高齢社会ライター

「はじめての介護」をテーマにお届けした全5回シリーズは今回が最終回です。これまでは介護保険や施設と言った〝介護そのもの〟にスポットを当ててきましたが、ここでは「介護生活」を支える助っ人的サービスに目を向けてみます。日常を支える家事代行など周辺サービスや、心の助けになる本や漫画作品など、介護に関わる人が元気になれるお助け情報をお届けいたします。第2回「突然、親が倒れたら・・・」に登場した、離れて暮らす父親の介護を迎えたアラフォー女性のその後のエピソードを参考に、日々を明るい気持ちで過ごすコツを考えてみましょう。
※エピソードは、いくつかの実例を元にしたフィクションです

○介護ヘルパーさんに頼めないこと

「えっ。ヘルパーさんに暖房器具を出してとは頼めないんだ」

平日は都内で働き、週末だけは腰椎骨折で動けない父親と介護に当たる母親の様子を見に帰省する日々を送る藤村りえ子さん(41)。ヘルパーさんといわれる訪問介護員の助けを借りる中で、驚いたことがありました。
介護保険制度により、ヘルパーさんはケアマネジャーと家族が相談して決めた「ケアプランに沿った支援」をやることが定められています。原則、それ以外は頼めないのです。
例えば、自力で歩けない父親の排泄の介助や入浴はOKですが、小柄で高齢の母親には重荷となる暖房器具の出し入れや庭木の手入れは原則、ダメです。利用者本人、つまり父親の洗濯物は頼めますが母親のモノはこれまた対象外。
すると結局「父親の介護」はよくても、日常の家事に加えて父親の介護で疲弊する「母親の負担」の手助けはお願いできないというわけです。

○家事代行サービスという手段

こんな時に役立ちそうなのが、近年、共働き家庭の増加などで注目されている「家事代行サービス」や「ご近所サポートサービス」です。最近は、ネットで依頼が完結するものや、お手頃価格のものも増えています。

家事のサポートでみてみると、

▶︎「ベアーズ」
大手の家事代行。シニアに向けたサービスも提供。

▶︎「エニタイムズ」
「電球を替えて」「話し相手になって」など、ちょっとした「頼みごとをしたい人」と「引き受けてくれる人」をマッチング。

▶︎「タスカジ」
フリーランスハウスキーパーをネットで仲介。

など、サービスが多様化してきています。地域や目的など、自分に合ったものを探してみてはいかがでしょうか。
「スマホで完結するものはありがたいな。老舗の家事代行も捨てがたい」。ネットで情報を探していたりえ子さんは、選択肢のある現代にしみじみ感謝しました。

○介護する人へ〝心のサプリ〟など、

最後に、介護ライフの心の支えになる「介護をテーマにした本や漫画作品」をご紹介いたしましょう。ホッとするものもあれば、思い当たる悩みに共感できるものもあります。また、介護知識の実用書になるケースも少なくありません。

book_01
「親を、どうする?」(著者:小林裕美子/原作協力:滝乃みわこ、実業之日本社)
親の介護と向き合う3人の女性が登場する漫画作品です。「おひとりさまのカスミ」「共働き夫婦のハルカ」「シングルマザーのサヨ」。3人は高校の同級生でアラフォー。それぞれの苦悩と哀しみと救いが描かれ、配偶者や父親、息子として男性も存在感を発揮。立場は違ってもきっと誰かに共感できるのではないでしょうか。


book_02
「ペコロスの母の玉手箱」(著者:岡野雄一、朝日新聞出版)
認知症の母と中年息子の心の交流を描き、映画化や舞台化もされた大ヒット漫画「ペコロスの母に会いに行く」の続編です。今作では、いよいよ認知症の母との別れが描かれています。介護する人が精神的にも肉体的にも辛いとされる「認知症」ですが、恐れることはない、と本作は教えてくれます。


book_03
「恍惚の人」(著者:有吉佐和子、新潮社)
1972年に発行され、日本で早くに「認知症」を描いた衝撃作です。男尊女卑や封建制度が今より色濃い時代の介護、お嫁さんはいかに大変だったか・・・。を思い知らされますが、そんな時代にパワフルに果敢に介護と向き合った主人公にパワーをもらえること間違いなしです。重いテーマなのにユーモアすら感じさせ、日本を代表する女流作家の名作は色あせません。


book_04
「鳥居りんこの親の介護は知らなきゃバカ見ることだらけ」(著者:鳥居りんこ ダイヤモンド・ビッグ社)
お受験カウンセラーとしてベストセラーもある著者の、母親の介護をめぐる実体験です。介護申請手続きから〝老人病棟〟の実態、施設探しまで具体的なノウハウと知識が身に付く、心強い一冊です。歯に衣着せぬ本作では、きれいごとではない「ホンネの介護」に励まされます。


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