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介護とお金シリーズ(2)介護の費用に備える「民間介護保険」とは?

  • コレカさん (神奈川県在住)
  • ファイナンシャル・プランナー

「やっぱり介護保険には加入しておかないと、まずいでしょうか?」

会社員の山下さん(55歳)は、保険への加入で悩んでいます。
現在加入している生命保険が間もなく満期を迎えるのにあたり、
保険会社の担当者から、介護保険への加入を勧められているからです。
ただ、お子さんが大学進学を控えていることもあり、
できることなら無駄な出費は避けたいというのが本音です。

〇介護の〝費用〟に備えるのが「民間介護保険」

40歳になると誰もが「介護保険」に加入し、
原則65歳以上で介護が必要になった場合に介護サービスが利用できます。
国が定める公的な制度ですので、「公的介護保険」とも言われます。
それに対し、生命保険会社などが提供する保険商品で、
介護を対象としたものが「民間介護保険」です。
「公的介護保険」の上乗せの保障として注目を集めています。
販売する保険会社も増えてきています。
同じ「介護保険」とは言っても、両者の性格は異なります。

「公的介護保険」は、介護が必要となった際に、
「介護サービスとして提供」されます。

本来の費用の1割または2割の料金で
ヘルパーさんが自宅に来てくれたり、
老人ホームで介護を受けたりすることができます。
利用しなかったからといって、その分のお金をもらえるわけではありません。
また、対象となっているサービスが決まっており、
それ以外のものには使えません。
介護には、宅配弁当や家族の交通費など、
介護保険で対象となっている以外にも
いろいろと負担がかかります。

保険商品である「民間介護保険」はいろいろなタイプがありますが、
「介護が必要となった際に、保険金が出る」のが、
「公的介護保険」と違う点です。

お金が出るのですから、どのような使い方も自由で、
家族にとって一番必要なものに使うことができます。
公的介護保険での不足を補うために、
「民間介護保険」で備えることも考えておきたいものです。

〇民間介護保険のタイプを確認!

民間介護保険は保険会社の商品ですので、
その内容も保険会社によって異なります。
しかし、おおむねいくつかのタイプに分かれますので、
選択する際に確認しましょう。

  • ●保険料の払い方:
    すべてをまとめて払う「一時払い」と、
    月払いや年払いで継続して払っていくタイプがあります。
    継続して払うものは、一定の年齢で払い終える「短期払い」と
    生涯払い続ける「終身払い」に分かれます。
    退職金などまとまった資金がある時は「一時払い」も選択できますし、
    保険料を低く抑えたいなら、「終身払い」となります。

  • ●保険金が払われる条件:
    「一定の介護状態」となった場合に、
    保険会社から保険金(給付金とも言う)が支払われます。
    「一定の介護状態」は各社で異なります。
    公的介護保険で「要介護2」以上などと認定された場合に支払われる
    (公的介護保険連動型)タイプが増えています。
    保険会社が独自の基準を定め、それに該当した場合に
    保険金が支払われるタイプ(独自基準型)もあります。

  • ●保険金の支払われ方:
    一定の介護状態に該当したら、
    一度にまとめて保険金が支払われる「一時金」型と、
    介護状態にある限り毎年支払われ続ける「年金」型があります。
    両方を併用しているものもあります。
    まとめてもらった方が自由に使えますが、
    長生きした場合の受け取りは年金型の方が多くなります。

  • ●死亡保険金のあるなし:
    介護状態にならなかったら掛け捨てタイプと、
    その場合に死亡保険金が出るものがあります。
    死亡保険金が出るものは、解約した場合に戻ってくる返戻金もありますので、
    貯蓄タイプとも言えます。
    こちらのタイプの方が保険料は高くなります。

終身払い、公的介護保険連動型(要介護2から対象)で、
掛け捨てタイプの、ある保険商品のケースを見てみましょう。
55歳で加入した場合の保険料は
月額で男性が約8,500円、女性は約12,000円。
介護状態になった場合に、一時金が120万円、
その後は年金が毎年60万円支払われます。

〇民間介護保険への加入は必須なのでしょうか?

介護が必要になるのは、もちろん人によって違いますが、
80歳前後から増えてきます。
統計によると、公的介護保険での給付を受けている人の割合は、
80代前半で男性17.2%、女性26.0%、
80代後半で男性31.7%、女性47.6%となっています。
(厚生労働省「平成28年度介護給付費実態調査」)
80歳から介護費用が必要になると考えても、
かなり先のことになります。
預貯金で資金準備をしておくことも可能です。
預貯金であれば、介護費用が必要なかった場合に、
他のことにも使えます。十分な介護資金が確保できている人は、
預貯金で備えたのでよいでしょう。
預貯金が少なく、貯蓄が苦手な人、
介護が必要になるまで確実に資金を確保しておきたい人などが、
民間介護保険には向いています。

※どれくらいの預貯金があればよいかは、
自宅で家族の介護を受けられるのか、高齢者施設に入居するのか、
などによって異なりますので、前回の記事もご参考に。
介護とお金シリーズ(1)介護費用って実際どれくらいかかるの?

ご相談に来られた山下さんは、将来の介護が心配ですが、
健康にも気をつけていますので、
今すぐ介護が必要になる可能性は低いと考えました。
「退職金が出た時点で、一時払いの介護保険に加入して、
介護費用を確保しておきたいと思います」
介護が必要になると、多かれ少なかれ出費が必要になります。
必要になる時期は、かなり先のことになりますので、
計画的な準備が可能です。その手段として、民間介護保険は選択肢となります。

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